詩作家・加藤青の初詩集。2025年8月に活動を開始し、わずか4カ月で本書を刊行。活動直後に「三服文学賞」選考(一次審査)、「白秋献詩」佳作を受賞し、静謐な言葉の精度と構築力によって、新たな詩の可能性を提示する。
収録された14篇は、「白鳥の街」「光芒」「直線と窓」「アブストラクト」「白妙」など、都市の孤独と微かな希望を主題にした詩群である。東京という現実の中で、疲弊し、彷徨いながらも生を手放さない心の軌跡が、淡く、痛切に描かれている。それは希望というよりも、生の残響。諦めではなく、わずかな光を掬い取ろうとする試みである。
加藤の詩は、映像のように現れては消え、沈黙や呼吸の間までも詩の構成要素として扱う。冷たさと温もり、現実とあの世、そして“生きること”と“死を見つめること”のあわいが、ひとつの呼吸のように共存している。彼の言葉は、都市に生きる者の痛みを透過し、透明でありながら不純な、現代の祈りとして響くだろう。
表題作〈東京白夜飛行〉は、永遠の白夜を飛行する魂のモノローグであり、それは、死生観をめぐる省察、一人の詩人が見た「生」の記録である。
[収録作品]
01 白鳥の街
02 東京白夜飛行
03 光芒
04 アブストラクト
05 直線と窓(白秋献詩 佳作受賞作品)
06 うつくしき世界
07 変貌
08 終わりと始まり
09 白妙
10 春愁
11 レンチキュラー
12 潔白
13 フェルマータ(三服文学賞 選考作品)
14 ことわり
作家経歴
https://aokato.com/profile/
Official Website
https://aokato.com/
Instagram
https://www.instagram.com/aokato_pt/
ISBN: 9784991446719
Softcover
52 pages
130mm×182mm
Black and White
Released on 2025.11.30